令和7年度厚生労働省所管予算概算要求の概要
8月30日、令和7年度厚生労働省所管予算概算要求に関する資料が公開されました。
重点要求の柱は、次の3つです。
Ⅰ. 全世代型社会保障の実現に向けた保健・医療・介護の構築
Ⅱ. 持続的・構造的な賃上げに向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍推進
Ⅲ. 一人一人が生きがいや役割を持つ包摂的な社会の実現
このうち、Ⅱ. 持続的・構造的な賃上げに向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍推進の概要は、次のとおりです。
下記の計数は、令和7年度概算要求額、( )内は令和6年度当初予算額です。
最低賃金・賃金の引上げに向けた支援、非正規雇用労働者への支援等
賃上げを起点とした所得と生産性の向上を図るため、最低賃金や賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者の生産性向上の取組への支援や、非正規雇用労働者への支援等を行う。
○最低賃金・賃金の引上げに向けた中小・小規模企業等支援、非正規雇用労 働者への支援等 366億円(333億円)
・事業場内最低賃金の引上げに取り組む中小企業・小規模事業者の生産性向上に向けた支援
・雇用管理制度の導入により従業員の定着・確保を図ることに加え、賃上げにも取り組む事業主への支援
・生活衛生関係営業者の収益力向上の推進、物価高騰等への対応のための価格転嫁等の取組支援や経営相談支援の実施
・ステップアップを目指す非正規雇用労働者等に対する求職者支援制度による支援 等
リ・スキリング、ジョブ型人事(職務給)の導入、労働移動の円滑化
持続的・構造的な賃上げを実現するため、三位一体の労働市場改革を進める。全世代を対象としたリ・スキリングによる能力向上支援、個々の企業の実態に応じたジョブ型人事(職務給)の導入、成⻑分野における労働移動の円滑化を促進する。
○リ・スキリングによる能力向上支援、個々の企業の実態に応じたジョブ型 人事の導入、成⻑分野等への労働移動の円滑化
1,695億円(1,633億円)
〈リ・スキリング〉
・教育訓練休暇給付金の創設等による、経済社会の変化に対応した労働者個々人の学び・学び直しの支援の促進
・労働者のキャリア形成やリ・スキリングの取組を促すための相談支援事業等の拡充
・スキルの階層化、標準化に向けた幅広い業種における団体等検定制度の活用促進
・公的職業訓練のデジタル推進人材の育成支援
・生成AIを含むデジタル人材育成のための「実践の場」を開拓するモデ ル事業の推進
・事業主等が雇用する労働者に対して職業訓練等を実施した場合の賃金助成の拡充による企業における人材育成の推進 等
〈ジョブ型人事〉
・職務給等に関するヒアリング調査を通じた支援ツールの作成
〈労働移動の円滑化〉
・「job tag」や「しょくばらぼ」の充実及び活用促進、並びにリ・スキリ ングのプログラムや施策内容を含む各種情報を可視化するプラットフォームの整備及び活用促進
・成⻑分野や一定の技能を必要とする未経験分野への就職を希望する就職 困難者を雇い入れる事業主への支援による成⻑分野等への労働移動の円滑化
・副業・兼業を希望する中高年齢者及び企業の情報を蓄積し、当該中高年 齢者に企業情報の提供を行う情報提供モデル事業の拡充 等
人材確保の支援の推進
人手不足分野等における人材確保を推進するとともに、高齢者の社会参加、外国人材の就職支援等による人手不足解消に向けた取組を推進する。
○人材確保の支援 425億円(424億円)
・ハローワークの専門窓口(人材確保対策コーナー)の増設による医療・ 介護分野等への就職支援の強化
・雇用管理制度の導入により従業員の定着・確保を図ることに加え、賃上 げにも取り組む事業主への支援(再掲)
・シルバー人材センター等を活用した高齢者の就労による社会参加の促進、 高齢者が安心して安全に働くための職場環境の整備等
・外国人求職者への就職支援等、適切な外国人材の確保等に向けた実態把握 等
多様な人材の活躍推進と職場環境改善に向けた取組
障害者や高齢者等、多様な人材が能力を発揮しつつ、安心して働き続けられる環境の整備を進める。様々なライフステージに応じた働き方を選択し、意欲に応じて活躍できる社会の実現に向けた取組を行う。
○障害者や高齢者等、多様な人材の活躍促進等 1,920億円(2,044億円)
・ハローワークのマッチング機能強化による障害者の雇入れ等の支援
・障害者就業・生活支援センターによる地域における就業支援の促進
・就職氷河期世代を含む中高年層へ向けた就労支援
・非正規雇用労働者に関する、希望する者の正社員転換の促進、働きながら学びやすい職業訓練試行事業の実施、基本給を定める賃金規定の増額改定等への支援、及び「年収の壁・支援強化パッケージ」による支援
・高齢者の労働災害防止のための環境整備の推進
・地域若者サポートステーションにおける心理相談を併用した就労支援体制の強化
・育成就労制度の施行に向けた必要な体制整備
・多様な働き方・多様な雇用機会の創出のための労働者協同組合の活用促進
・産業保健総合支援センターにおける相談支援の充実等による中小企業等 の産業保健活動への支援やメンタルヘルス対策の推進 等
○仕事と育児・介護の両立支援、多様な働き方の実現に向けた環境整備、 ワーク・ライフ・バランスの促進 1,415億円(301億円)
・仕事と育児・介護の両立に向けた、業務代替整備・柔軟な働き方の導入 等を含めた支援
・共働き・共育て推進に向けた社会的機運の醸成、両立支援制度の導入・活用促進
・共働き・共育ての推進のため、両親ともに育児休業をした場合に支給する出生後休業支援給付や育児期に時短勤務を行った場合に支給する育児時短就業給付の創設
・勤務時間、勤務地、職種・職務を限定した「多様な正社員」制度の普及促進
・適正な労務管理下におけるテレワークの導入・定着の促進
・勤務間インターバル制度導入促進のための支援
・年次有給休暇の取得促進及び選択的週休3日制を含めた多様な働き方の環境整備
・労働時間の削減等、中小企業の勤務環境改善に向けた支援の実施
○ハラスメント防止対策、安心安全な職場環境の実現 67億円(66億円)
・カスタマーハラスメント対策の取組支援を含む職場におけるハラスメン ト対策の推進
・高齢者の労働災害防止のための環境整備の推進(再掲)
・産業保健総合支援センターにおける相談支援の充実等による中小企業等 の産業保健活動への支援やメンタルヘルス対策の推進(再掲)
○フリーランスの就業環境の整備 3.3億円(2.1億円)
・フリーランスの就業環境整備に取り組む発注事業者への支援
・フリーランス・事業者間取引適正化等法の執行体制の整備、フリーラン ス・トラブル110番における相談支援の実施
・フリーランスの就業環境整備に取り組む発注事業者への支援
女性の活躍促進
女性の活躍促進を支えるため、男女間賃金格差の是正、子育て中の女性等 に対する就労支援等に取り組む。
○女性の活躍促進 49億円(48億円)
・男女間賃金格差の是正に向けた⺠間企業における女性活躍促進のための コンサルティングの実施等
・マザーズハローワーク等による子育て中の女性等に対する就職支援の実施
・女性特有のライフステージごとの健康課題に取り組む事業主への支援等
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【画像は、山梨県甲州市勝沼町の「ハーブ庭園 旅日記 勝沼庭園」のフォトコーナーです。】
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