個人情報保護委員会「生成AIサービスに関する注意喚起等について」公表
6月2日、個人情報保護委員会より、「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」が公表されました。同委員会は、6月1日付で、生成AIサービスであるChat GPTを開発・提供する OpenAI, L.L.C.及びOpenAI OpCo, LLCに対しても注意喚起を行なっています。
我が国においても、現在、生成AIサービスが普及していることを踏まえ、同委員会として、個人情報の適正な取扱いによる個人の権利利益の確保の要請と、新たな技術に基づく公共的な利益(イノベーションの促進、生産性の向上、教育効果の向上、気候変動問題等の国際社会の課題の解決等を通じて、多様な社会的・経済的利益の増進に寄与する可能性)の要請とのバランスに留意しつつ、生成AIサービスの利用に関する注意喚起等を行うこととしたものです。
注意喚起等は、(1)個人情報取扱事業者、(2)行政機関等、(3)一般の利用者、それぞれについて取りまとめられています。
個人情報取扱事業者、行政機関等において、生成AIサービスを利用する際には、これらも参考に、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護法」という。)の規律に従って、個人情報を適正に扱うように要請しています。
個人情報取扱事業者における注意点は、次のとおりです。
(1)個人情報取扱事業者における注意点
① 個人情報取扱事業者が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合には、特定された当該個人情報の利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること。
② 個人情報取扱事業者が、あらかじめ本人の同意を得ることなく生成AIサービスに個人データを含むプロンプトを入力し、当該個人データが当該プロンプトに対する応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合、当該個人情報取扱事業者は個人情報保護法の規定に違反することとなる可能性がある。そのため、このようなプロンプトの入力を行う場合には、当該生成AIサービスを提供する事業者が、当該個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること。
(2)行政機関等における注意点、(3)一般の利用者における注意点、などについては、こちらをご確認ください。
【画像は、2019年ラグビーワールドカップ日本大会 オーストラリア対ウエールズ の画像です。】