令和5年度「働き方改革推進支援助成金」のご案内(2)

 今回は、勤務間インターバルの導入や、時間外労働の上限規制の適用が猶予されてきた建設業、運送業、病院等、砂糖製造業の生産性を向上させ、労働時間の削減や週休2日制の推進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主の皆さまを支援する2つのコースをご紹介します。

勤務間インターバル導入コース」「適用猶予業種等対応コース」

勤務間インターバル導入コース適用猶予業種等対応コース









 以下のいずれにも該当する事業主です。
1 労働者災害補償保険の適用を受ける中小企業事業主(*1)であること
2 36協定を締結しており、原則として、過去2年間において月45時間を超える時間外労働の実態があること(*2)
3 年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること
4 以下のいずれかに該当する事業場を有すること
 ①勤務間インターバルを導入していない事業場
 ②既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下である事業場
 ③既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場

(*1)中小企業事業主の範囲
AまたはBの要件を満たす企業が中小企業となります。
・業種   A:資本または出資額 B:常時使用する労働者
・小売業(飲食店含む)5,000万円      50人以下
・サービス業(*3) 5,000万円       100人以下
・卸売業       1億円以下       100人以下
・その他の業種    3億円以下       300人以下

(*2)基本的には1月45時間を超える時間外労働の実態があれば、要件を満たすこととなりますので、詳細はお問い合わせください。

(*3)医業に従事する医師が勤務する病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院については常時使用する労働者数が300人以下の場合は、中小企業事業主に該当します
 以下のいずれにも該当する事業主です。
1 労働者災害補償保険の適用を受ける中小企業事業主であること
2 交付申請時点で、「成果目標」1から4の設定に向けた条件を満たしていること
3 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること
4 以下のいずれかに該当する中小企業事業主であること
 常時使用する労働者数が300人以下もしくは資本金または出資額が3億円以下(病院等についは、5,000万円以下)の
 ①建設業(*1)
 ②運送業(*2)
 ③病院等(*3)
 ④砂糖製造業(*4)

(*1)労働基準法第139条第1項に定める工作物の建設の事業その他これに関連する事業とて厚生労働省令で定める事業を主たる事業として営む事業主を指します。
(*2)労働基準法第140条第1項に定める自動車運転の業務に従事する労働者を雇用する事業主を指します。
(*3)労働基準法第141条第1項に規定する医業に従事する医師(労働者に限る)が勤務する病院(医療法第1条の5第1項に規定する病院をいう)、診療所(同条第2項に規定する診療所をいう)、
介護老人保健施設(介護保険法(第8条第28項に規定する介護老人保健施設をいう)または介護医療院(同条第29項に規定する介護医療院をいう)を営む事業主を指します。
(*4)労働基準法第142条に定める鹿児島県および沖縄県における砂糖を製造する事業を主たる事業とする事業主を指します。








 以下のいずれか1つ以上を実施
①労務担当者に対する研修(*4)
②労働者に対する研修(*4)、周知・啓発
③外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
④就業規則・労使協定等の作成・変更
⑤人材確保に向けた取り組み
⑥労務管理用ソフトウエア、労務管理用機器、デジタル式運行記録計の導入・更新(*5)
⑦労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(*5)
(*4)研修には、勤務間インターバル制度に関するもの及び業務研修も含みます
(*5)原則として、パソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません
以下のいずれか1つ以上を実施
①労務担当者に対する研修(*5)
②労働者に対する研修(*5)、周知・啓発
③外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
④就業規則・労使協定等の作成・変更
⑤人材確保に向けた取り組み
⑥労務管理用ソフトウエアの導入・更新(*6)
⑦労務管理用機器の導入・更新
⑧デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新(*6)
⑨労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)(*6)
(*5)研修には、勤務間インターバル制度に関するもの及び業務研修も含みます
(*6)原則として、パソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません



 以下の「成果目標」の達成を目指して取組を実施してください。
🟢新規導入【対象事業主4①に該当する場合】
  新規に所属労働者の半数を超える労働者を対象とする勤務間インターバルを導入すること
🟢適用範囲の拡大【対象企業主4②に該当する場合】
  対象労働者の範囲を拡大し、所属労働者の半数を超える労働者を対象とすること
🟢時間延長【対象事業主4③に該当する場合】
  所属労働者の半数を超える労働者を対象として休息時間数を2時間以上延長して、9時間以上とすること

 上記の成果目標に加えて、指定する労働者の時間当たりの賃金額を3%以上または、5%以上で賃金引上げを行うことを成果目標に加えることができます。
 以下の「成果目標」1から4のうち1つ以上選択肢し、その達成を目指して実施してください。
 各業種等ごとに選択できる目標が異なります。
1(1):全ての対象事業場において、令和5年度又は令和6年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届出を行うこと(建設業、運送業、砂糖製造業が選択可能
1(2):全ての対象事業場において、令和5年度又は令和6年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減し、月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届出を行うこと(病院等が選択可能)
2:全ての対象事業場において、4週5休から4週8休以上の範囲で所定休日を増加させること(建設業が選択可能)
3:全ての対象事業場において、9時間以上の勤務間インターバル制度の規定を新たに導入すること(運送業病院等が選択可能)
4:医師の働き方改革推進に関する取組として以下(1)、(2)を全て実施すること(病院等が選択可能)
(1)労務管理体制の構築等
 ①労務管理責任者を設置し、責任の所在とその役割を明確にすること
 ②医師の副業・兼業先との労働時間の通算や医師の休息時間確保に係る協力体制の整備を行うこと(副業・兼業を行う医師がいる場合に限る)
 ③管理者層に対し、人事・労務管理のマネジメント研修を実施すること
(2)医師の労働時間の実態把握と管理
 ①労働時間と労働時間でない時間の区別などを明確にした上で、医師の労働時間の実態把握を行うこと
 ②医師の勤務計画を作成すること

*4の実施内容については、申請マニュアル及び「「医師の働き方改革推進に係る成果目標」に関する報告書」をご覧ください。

 上記の成果目標に加えて、対象事業場で指定する労働者の時間当たりの賃金額を3%以上または、5%以上
で賃金引上げを行うことを成果目標に加えることができます。 


 上記「成果目標」の達成状況に応じて、助成対象となる取組の実施に要した経費の一部を支給します。
【助成額最大580万円】

【新規導入に該当するものがある場合】
・休息時間数(*6)補助率(*7)1企業当たりの上限額
9時間以上11時間未満 3/4      80万円
     11時間以上 3/4      100万円

【適用範囲の拡大・時間延長のみの場合】
・休息時間数(*6)補助率(*7)1企業当たりの上限額
9時間以上11時間未満 3/4      40万円
     11時間以上 3/4      50万円

(*6)事業実施計画で指定した事業場に導入する勤務間インターバルの休息時間数のうち、最も短いものを指します。
(*7)常時使用する労働者数が30人以下かつ、「支給対象となる取組」で⑥から⑦を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5となります。

🟢賃金引上げの達成時の加算額
(常時使用する労働者数が30人以下の場合)
・3%以上引き上げ 
 労働者数1人〜10人 人数により30万円〜100万円 
     11人〜30人  1人当たり10万円(上限300万円)
・5%以上引き上げ 
 労働者数1人〜10人 人数により48万円〜160万円 
     11人〜30人 1人当たり16万円(上限480万円)

(常時使用する労働者数が30人を超える場合)
・3%以上引き上げ
 労働者数1人〜10人 人数により15万円〜50万円 
     11人〜30人 1人当たり5万円(上限150万円)
・5%以上引き上げ 
労働者数1人〜10人 人数により24万円〜80万円
     11人〜30人 1人当たり8万円(上限240万円)
 取組の実施に要した経費の一部を、成果目標の達成状況に応じて支給します。
 【助成額最大:建設業は830万円、運送業は880万円、病院等は930万円、砂糖製造業730万円】
 以下のいずれか低い額
(1)成果目標1から4の上限額および賃金加算額の合計額
(2)対象経費の合計額 × 補助率(3/4)(*7)
(*7)常時使用する労働者数が30人以下かつ、支給対象の取組で⑥から⑨を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5


【(1)の上限額】
1 成果目標1(1)達成時の上限額
・事業実施前:80時間超 → 実施後:60時間以下       250万円
・同上   :60時間超 → 実施後:60時間以下       200万円
・同上   :80時間超 → 実施後:60時間超、80時間以下   150万円

2 成果目標1(2)達成時の上限額
・事業実施前:100時間超 → 実施後:80時間以下       250万円
・同上   : 90時間超 → 実施後:80時間以下       200万円
・同上   : 80時間超 → 実施後:80時間以下   150万円

3 成果目標2達成時の上限額:1日増加ごとに25万円(最大で100万円まで)

4 成果目標3達成時の上限額
【新規導入に該当するものがある場合】
・休息時間数(*8) 
9時間以上11時間未満   100万円
     11時間以上    150万円

【適用範囲の拡大・時間延長のみの場合】
・休息時間数(*8) 
9時間以上11時間未満    50万円
     11時間以上    75万円

(*8)事業実施計画で指定した事業場に導入する勤務間インターバルの休息時間数のうち、最も短いものを指します。

5 成果目標4達成時の上限額:50万円 

🟢賃金引上げの達成時の加算額
  賃金額の引上げを成果目標に加えた場合の加算額は、指定した労働者の賃金引上げ数の合計に応じて、次のとおり、上記上限額に加算する。なお、引上げ人数は30人を上限とする。

②賃金引上げの達成時の加算額
(常時使用する労働者数が30人以下の場合)
・3%以上引き上げ 
 労働者数1人〜10人 人数により30万円〜100万円
     11人〜30人 1人当たり10万円(上限300万円)
・5%以上引き上げ 
労働者数1人〜10人 人数により48万円〜160万円
11人〜30人 1人当たり16万円(上限480万円)

(常時使用する労働者数が30人を超える場合)
・3%以上引き上げ 
 労働者数1人〜10人 人数により15万円〜50万円
    11人〜30人 1人当たり5万円(上限150万円)
・5%以上引き上げ 
 労働者数1人〜10人 人数により24万円〜80万円
     11人〜30人 1人当たり8万円(上限240万円)





・「交付申請書」を最寄りの労働局雇用環境・均等部(室)に提出
 (締切:11月30日(木))
     ⬇︎
・交付決定後、提出した計画に沿って取組を実施
 (事業実施は、令和6年1月31日(水)まで)
     ⬇︎
・労働局に支給申請
 (申請期限は、事業実施予定期間が終了した日から起算して30日後の日または2月9日(金)のいずれか早い日となります。)

注意)本助成金は国の予算額に制約されるため、11月30日以前に、予告なく受付を締め切る場合があります。
・同左












注意)本助成金は国の予算額に制約されるため、11月30日以前に、予告なく受付を締め切る場合があります。
(出所)厚生労働省HP
「勤務間インターバル導入コース」の詳細はこちらをご覧ください。
「適用猶予業種等対応コース」の詳細はこちらをご覧ください。

 なお、「働き方改革推進支援助成金」には、中小企業団体などが、その傘下の事業主のうち、労働者を雇用する事業主の労働条件の改善のために、時間外労働の削減や賃金引き上げに向けた取組を実施した場合に、その中小企業団体等に対して助成金を支給する「団体推進コース」があります。
「団体推進コース」の詳細はこちらをご覧ください。

【画像は、2019年ラクビーワールドカップ日本大会 日本 対 サモア の試合風景です。】